れもんどう

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【読書メモ】エミリの小さな包丁/森沢明夫

※ネタバレ含みます。

ブクログのランキングに入っていて、タイトルでなんとなく気になった本。全くストーリーとか何もかも知らず読んだけれど、最後は勝手に涙があふれてくる、そんな本でした。

都会に住んでいたエミリが、職場の上司と不倫をして職場にバレて噂が広まり、エミリ自身は鬱になって、おじいちゃんのいる田舎の龍浦に逃げてきて、おじいちゃんや地元の人たちと知り合って、エミリがどんどん成長していく物語。

特別凄いシーンがあるわけでは他愛もないのだけれど、おじいちゃんの一言一言が素敵だったり龍浦に住んでいる心平さんや直斗さん、京香さんたちの文面からでも伝わってくるやさしさだったり、読んでいてほっこりします。

何故、エミリが龍浦に逃げてきたのか、というのをおじいちゃんはじめ誰も聞いてこない。けれど、都会で働いていた時の同僚の毒を吐きまくる沙耶が地元の人たちにバラしてしまい、また都会にいたときのように噂に苦しみそうになったシーンはとても苦しい。

田舎にも噂話が好きな人たちはいてエミリは嫌な思いをするけれど、おじいちゃんに救われて都会にいたときのように鬱にならずむしろ明るく、強くなっていったエミリ。最終的には都会へ戻ってしまうのだけれど、そのシーンがもう号泣。最終章はとにかく泣いてた。

エミリとおじいちゃんたち龍浦に住んでいる人たちの別れが寂しいのもある反面、今なら都会に戻っても強く生きれるだろうなと思いながら複雑な気持ちで泣いた。