れもんどう

エンタメとポイ活が好きなITエンジニアのつぶやき。

【読書メモ】しろいろの街の、その骨の体温の

村田沙耶香さんに超ハマっている。単純に面白い!と感じるのではなく、最初~中盤くらいまでは共感出来るものの、終盤になるにつれ共感出来なくなるどころかむしろ胸糞悪くなる。それがまたクセになってハマらせる。

村田さんのえがく 少女像・女性像はあんまり冴えない人生送ってきた女性にはぶっ刺さるんじゃないかなと思うくらい個人的には共感出来るんですよね。だけれど、やっぱ小説の主人公なだけあるのか、村田さんのセンスなのか、主人公の思考がぶっ飛んでいて、共感出来ない。

『しろいろの街の、その骨の体温の』の舞台は どんどん土地開発が進んでいくニュータウンが舞台。小学校で仲良くしていた人たちとの関係に違和感を覚え、中学校にあがってスクールカーストという壁にぶつかる主人公の結佳。

小学校のころから近い存在だった男の子・伊吹への扱いがなんというか気持ち悪い。自分のおもちゃとして扱っていた伊吹も中学校にあがり、カースト上位に。カースト下位である結佳との身分の差というのは生まれるけれど、幸せさんである伊吹は結佳が学校で伊吹と話さない理由には気付かない。

カーストの概念がすっごい理解出来て、伊吹みたいなカーストの存在に気付かない人、カースト最下位の女の子をイジメるクラス、カースト下位だけどなんとなく静かに生きている女の子グループ、やっぱこええカースト上位の女子男子。

ほんっとに苦い中学校の思い出がよみがえるようで読むのがつらかった。カーストのどこにいたかと言えば下位くらいのなんとなく静かに生きている女の子だったから。

他の感想を読んでいてカースト上位の人だった子たちはどういう感想を抱くのか気になった。そもそもカースト上位の子たちが村田さんの作品と相まみえる様子が浮かばないんだけどね。

最終的にはハッピーエンドと捉えて良いような終わり方だったけれど、中盤の胸糞悪さは半端ない。だけど、みんな通ってきた道ではないのかなと思う。一番カーストが生まれてたのって中学校の時だったなあ・・と思い出したくもない思い出を思い出していた。