れもんどう

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【読書メモ】SEは死滅する

久々の読書感想ブログです。『SEは死滅する』という本を読みました。タイトルがなかなかに率直すぎる。

本について

著名:SEは死滅する 技術者に未来はあるか編

著者:木村 岳史

発行:日経BP

発行日:2016年2月23日(初版)

なぜ読んだのか

SE(システムエンジニア)職的なことも実際していて、自分の仕事死滅するの?!と思ったのが第一印象で、すぐ興味が湧きました。実際、仕事をこのまま続けていいのか?という悩みもありますからね。なにか役にたつかもしれないと思い、手に取りました。

概要

ざっくり言うととにかく著者の木村さんが言いたい放題暴れているのだけど、きっとSEやIT業界に勤めている人は、超ホワイトでない限りグサグサくるものがあると思います。

私が特に勉強になった点を3点まとめてます👇

そもそもIT業界の仕組みがダメダメ

基本的に、ユーザー企業のIT部門について、書かれている本です。ユーザー企業のIT部門は、マイクロソフトGoogleなどではなく、例えば、銀行の情報システム部門や小売業の情報システム部門などのこと。

ユーザー企業にIT部門があるにも関わらず、そのIT部門の人たちが下請け企業に丸投げをしてしまっている点に著者は警鐘を鳴らしています。本来、ユーザー企業なら、自社の他部署の人間に要件を聞いて、要件定義をする。そしてプログラムを書いてシステムを作る。それが出来ていないと。プログラム書くことを下請け企業に出すのはともかく、要件定義まで丸投げしており、ユーザー企業のIT部門の仕事は、下請け企業の進捗管理をするのみ。そのせいで、自社のビジネスを全く知らない、企業にとって不必要な存在となっています。IT部門は素人集団となってしまっており、プログラムも書けないし、最新のIT技術を知らない。そういったところからこの本のタイトル『SEは死滅する』となっていると思いました。

客も今まで無駄なことをしていたと気付く

日本の企業は自分たちのやり方・今までの業務プロセスを壊しません。だから、ITベンダーに頼んでフルスクラッチで自社向けのオリジナルシステムを作ります。これが無駄 of 無駄。その無駄だということを客が気付き始めてきたのです。

そのため、フルスクラッチでシステムを作って何億、何千万単位の案件があったのに、パッケージソフトを導入して月額何千円〜何万円の世界へとなってしまう。客側としてはコストは圧倒的に少なくなります。システム導入〜運用費用だけではないです。自社なりの業務プロセスがあることで、人が入れ替わることで長い引き継ぎ期間が発生します。ですが、多くの人が使いやすい設計となっているパッケージソフトであれば、オリジナルシステムより使いやすいですよね。業務プロセスを変えることはコストが掛かることですが、慣れてしまえばオリジナルのフローがあるより良いんです。

パッケージソフトやITの基盤サービスが整備されてきた今だからこそ、SEは不要になってくる未来も近いのです。

客に対して上から目線になれ 

本の中にこんな言葉が。「客が言うことを聞いてくれないと、ろくなものが作れない商売だ。客の言いなりの御用聞きに明日はないよ。」

自社企業向けの完全オリジナルのシステムを作れと言ってくる客。これに対して、言われたんで機能追加しますとITベンダーは言っていたのではダメ。様々なシステムを作ってきたITベンダーは他の企業の業務プロセスも知っているので、そういった知識を基に客に対してこうしたほうが良いと提案をする必要があるのです。

なんだかIT部門やITベンダーは地位の低い存在ですが、業務改善の提案などをすることによって、地位が低いものを思っている人たちにリスペクトされるかもしれません。

感想

発刊が2016年と今から3年も前の本ですが、同業種の私にはグサグサくるものがありました。辛うじて、私の会社は下請けに丸投げということはありませんが、古いシステムの保守にかかりっきりだったり、グループ会社やその他外販企業からああしたいこうしたいと言われるばかりだったり、うちの会社の現状にも当てはまる本でした。この本を読んで、私は業務改善の提案を出来て最新技術のシステムを提供出来る人になる必要があると思いました。そのためには業務の知識もITの知識も足りないことを痛感。現状維持を良しとせず、自分や自分の属している会社がどう成長すべきか?と考える必要があり、会社と考えが異なるのなら、転職という手もあるのかもしれないです。

システム屋さんにもオススメですが、他の業種の方にも読んで頂きたいですね。システム作る側も使う側も理解がないとSEやプログラマーは成り立たない仕事だと思っています。

著者である木村さんは他にも色々IT業界について言っているようなので、確認したいと思います!